プレッシャーを克服してメンタルの強いスポーツ選手になろう!

大事な大会、大事な試合、普段の力を発揮できていますか?

メンタルが弱いと諦めていませんか?

プレッシャーによる身体への影響を如何に克服できるかが試合のパフォーマンスの鍵になると言えます。

そんなプレッシャーとのつきあい方を紹介したいと思います。

プレッシャーの悪い面・良い面

  • 悪い面:緊張や不安を引き起こす
  • 良い面:集中力が増す

プレッシャーは精神的重圧ともいわれますが、重大な状況で確実な遂行や成果を強いられる圧迫した雰囲気のことです。

勉強や仕事など、日常的にもプレッシャーに直面することはありますが、スポーツ競技ほど周囲の関心や注目にさらされ、自分や周囲の期待が高まり、成果が分かりやすい領域はほかにありません。

日本中の関心が集まるオリンピックなどの試合であるとか、初優勝がかかっているとか、ファイナルの攻防でミスができないなど、多くの例をあげることができます。

プレッシャーは選手に緊張や不安といった反応を引き起こすことから、悪い意味で捉えられがちですが、実はそれ だけではありません。

ブレッシャー状況下で高まる緊張や不安は、戦いの場に挑む準備です。

集中力が増し、覚醒を上げ、綿密な対策を立てることにつながります。

このときの心理状態は確かに苦しいものですが、だからこそ練習では発揮できないパワーや粘りが生まれてくることもあるのです。

プレッシャーの影響の違いはなぜ生まれる?

  1.  意識や注意の向け方
  2.  プレッシャーの受け止め方
  3. 性格特徴

プレッシャーは必要なものでもありますが、プレッシャーの有害な側面を無視することはできません。

プレッシャー状況下で生じるパフォーマンスの混乱は「あがり」として問題視されて来ました。

確かに他者から評価・比較される場面や、周囲の期待や注目が高い場面では、誰であれプレッシャーを感じやすいものです。

しかし、そのプレッシャーの影響に状況差や個人差があるのはなぜでしょうか。

意識や注意の向け方

1つは、意識や注意の向け方の違いです。「手が震える」「ここで負けたらどうしょう」など、緊張時に生じる身体的違い和感、あるいは漠然とした心理的不安に気づいたとき、それにとらわれるかどうかの問題です。

あるバスケットボールのフリースローを対象とした研究では、テスト前に自分自身の心身の状態を意識してしまうような内容、つまり「一部の選手はフリースローラインであがりの傾向を示しています」という情報を伝えると、選手の成績は明らかに低下することが示されました。

試合に臨む選手たちが、自分の細かな変調や考えに目を向ける必要はなく、そのための周囲の配慮も大切です。

とくに相手との直接的な対戦をするスポーツは、次々と変化する状況に合わせて、相手の動きなどに適切な注意集中を向ける必要があります。

ブレッシャーの受け止め方

次に、ブレッシャーの受け止め方です。

同じプレッシャーであっても、その状況が自分には重要ではないと感じる選手もいれば、重大かつ接戦的に受け止める選手、そして大きな脅威として感じる選手もいます。

さらに「こうすれば上手くいく」、「自分には無理そうだ」などの対処法やその可能性についても判断は異なります。

試合前はもちろん、ブレー中のわずかな合間にもこのような認知活動は行なわれていて、接戦あるいは劣勢状況に置かれたときに脅威や対策の迷いばかりを感じているようでは、プレーへの悪影響が出てしまいます。

性格特徴

3つ目として性格特徴の問題があります。

「あがり」についての研究から、もともと不安を感じやすい性格特徴を持つ選手は、ある場面で緊張が高まるとパフォーマンスが低下しやすいことがわかっています。

この性格特徴は特性不安といいますが、日頃から迷いやすい考えすぎるなどの傾向がある人です。

特性不安はすでに触れた2つの要因とも関係が深いので、性格を変えようなどと考える必要はありません。

試合前やプレー中はあまり自分のことを考え過ぎず、目の前の困難に挑戦するつもりで対応するようにします。

プレッシャーとの付き合い方

  1. 練習から試合を想定する
  2. 無理に心をコントロールしない
  3. シンプルなねらいを持つ

最後に、プレッシャーとのつきあい方について触れたいと思います。

プレッシャーの辛さを訴える選手は多く、なかには「イップス」のような症状が続くなど問題は深刻です。

コーチや監督、カウンセラーとして選手からの相談を受ける時は、プレッシャーや緊張をなくすためのアドバイスはあまりしないほうが良いかもしれません。。

むしろ選手がプレッシャーを抱えながらプレーできる心理的環境に配慮し、消すことにこだわる選手の姿勢が、時には自然なプレーを妨げてしまうことをよく話し合うことが良いでしょう。

コーチ、監督、カウンセラーに限らず信頼できる人に大変さを理解してもらうことができれば、選手にとって耐えがたいと感じていたプレッシャー状況であっても、新たな視点で受け入れていけるかもしれません。

さらに選手のプレッシャーや緊張に関して掘り下げて丁寧に聴くことが大事です。

練習から試合を想定する

まず、日々の練習の様子です。

一般的にはプレッシャー状況を設定した練習を摂り入れることが効果的とされています。

ファイナルの接戦やビハインドの状況を想定したり、あるいはミスなしでラリー を継続したりといった負荷的練習が行なわれているかどうかです。

いつもの以上の緊張感と集中を持って、力を出しきる感覚をつかむ練習が必要です。

無理に心をコントロールしない

試合までの準備としては、無理に気持ちをコントロールしようとしていないか窮屈な生活をしていないか、不安によって足りないところばかり気にしていないかなどに注意を払います。

必要ならば、無理に気持ちを変えるよりも体を整えることに集中したほうがよいことを伝え、いまできることや試合で重要となるポイントは何かなどを語ってもらいます。

シンプルな狙いを持つ

試合中の様子は、心身の統合性、一体感の程度をイメージしなが聴きます。

試合中にあれこれ考えすぎると分析麻痺の状態に陥り、動きがバラバラになったり、心身の統合感が失われたりします。

細かな技術的課題やその修正を試合の中で行なうことは難しく、つねにシンプルなプレーのねらい・目的(とにかく粘る、相手を動かす、など)に意識を向け、細かいところは自分の体の反応を信じたほうがいいからです。

最後に、パフォーマンスにはもともと波があり、良いときも悪いときもあります。

数回の失敗でレッテルを貼る必要もなければ、プレッシャーや緊張を相手に努力する必要もありません。

プレッシャーのなかで選手自身が上手に距離をとったり、その対策や工夫を練習に取り入れたりして、新たな気持ちで挑戦すればいいのです。

トップ選手のプレッシャーの対処法

「体の部分である程度準備ができていれば、気持ちの面でも少し余裕が持てる」
心理面のことはどうしても心でコントロールしないといけないと思いがちですが、実際は体を整えることで気持ちが自然と整うこともあります。

いつもの基本動作をチェックする、ストレッチで体をほぐすといったことで、結果的に気持ちも落ち着くケースがあるのです。

「1人になる時間をつくっている」
これは現実逃避ではなく、プレッシャーから積極的に距離をとる方法の1つです。

よく選手がベンチに座ってタオルを頭からかぶっている光が見られますが、これも周囲の状況を遮断するためのもの。

プレッシャーのなかで自分ができることを実践されているようですね。


「大きな声を出して自分を奮い立たせる」
緊張したり、落ち込むとあれこれ気になったり、肩を落としたりしますが、反対に胸を張ったり、声を出したり、視線をすえるといった姿勢や行動をあえてとることで、気持ちもその状況
に伴ったものになっていくことがあります。


「感謝と喜びを意識することで、プレッシャーをプラスの方向に変えようとしている」
周囲への感謝やプレーできる喜びをプレッシャーと置き換えることで、モチベーションを高めているようですね。

自分のためではなく、みんなのために力を発揮しようと考えることが、パフォーマンスを発揮できる方法と認識されているのでしょう。


「相手に合わせた戦い方をすればいい」
「綿密に準備はしたけれど、それだけでは不十分だった」という経験を積むことで達するトップ選手の境地といえるでしょう。
予定通りではないけどその場で対応するということに意識が絞られています。

目的がシンプルに定められていることは、パフォーマンスを発するために大切なことです。

「自分のやりたいことをする」
これも意識やや集中をしぼるための考え方の一つです。

緊迫した場面はいつもとは違う感覚や思考が出てきてしまうものですが、そこで考えすぎると体と心がバラバラになります。

方向性だけシンプルに明確に決めて、あとは体に任せるくらいで良いのです。

まとめ

プレッシャーの対処は「〇〇をやれば、必ず効果がある」というものではなく、選手にあった物を実践していくべきものです。

最初はトップ選手が行っていることを真似しても良いと思いますが、少しずつ自分に合った方法を見つけていく流れの方が良いかと思います。